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みんながみんな祝福してくれる訳じゃない

「四季、無理をしなくてもいいからね」 「はい」 火がまだ怖いけど、彼と一緒なら大丈夫。キャンドルサービスのろうそくを握った彼の手の上に自分の手をそっと添えた。 テーブルを挨拶しながら彼とゆっくり回った。黒田さんも初瀬川さんも武田課長もみんな輝くような笑顔で祝福してくれた。 「結局来てくれなかったな」 「うん」 武田課長の隣には本当だったらたもくんが座っているはずだった。昨日までは出席させてもらう。楽しみだって電話で話していたのに。 「きっと急用が出来たんだよ」 彼に心配を掛けたくなくて明るく振る舞った。コウお兄ちゃんと征之おじちゃんたちのテーブルに回ると、 「浩太郎、あ~~んして」 人目も憚らず昴さんがこれ見よがしにコオお兄ちゃんといちゃついていた。 「毎日朝から晩までこんな感じなんだ。昴くんは積極的だからね、浩太郎はたじたじになっているよ。ま、ふたりが幸せならそれでいいんだけど」 征之おじちゃんが苦笑いを浮かべていた。 斎藤さんと吉村さんも時折見つめあい、すごくいい雰囲気でビールを飲みながら談笑していた。 「困ります」 「なんでだめなのよ。アタシは新郎の母親よ」 「警備員を呼んで」 慌てるスタッフの声が聞こえてきた。 「何かあったのかな」 彼と話しながらお爺ちゃんたちの席に向かおうとしたら、スタッフの人たちの制止を振り切り、一人の女性が姿を現した。

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