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初夜

二次会は日付が変わるまで大いに盛り上がった。 「四季、お風呂に一緒に入ろう」 まどかちゃんを寝かし付けながらうとうとしていたら彼が部屋に入ってきた。 「あ、そうだ。片付けないと」 はっとして起き上がろうとしたら、 「櫂さんと手分けして片付けよ。皿も洗ったよ」 「ごめんね和真さん。疲れているのに」 「こんなの疲れたうちに入らないよ。四季の方こそ疲れたはずだ」 お尻の下に彼の手がすっと入ってきた。 「首にちゃんとしがみついて」 言われたように首にしがみつくと体がふわっと浮いて、そのまま脱衣所へと運ばれた。 「服くらい自分で脱げるから」 「俺の楽しみを奪う気か?」 「和真さん、あのっ……」 あれよあれよという間に服を脱がされた。 身を小さくしてかろうじて体にまどわりつく下着をかき寄せていると、 「今さら恥ずかしがってどうするんだ?風邪をひくぞ」 困ったように苦笑いすると和真さんは服を脱ぎ捨て、最後に下着を脱がされ、お姫様抱っこされて浴室へと入った。 たっぷりと張られた湯船に沈み込むと、水しぶきが上がり冷えた体が温かい湯に包まれた。彼が自分の膝の間へと導き、後ろから抱き締められた。 「ここに新しい命が宿っているんだろう。いまだに信じられないよ」 なんのへんてつもないまっ平らなお腹を愛おしそうに目を細めて優しく撫でてくれた。

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