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初夜
「ん……っ」
スイと上顎を掬い上げられたと思うとちゅっと口付けられた。
最初は啄むような軽いキス。
だがそれは、やがて深く濃密なそれに変わっていく。
「ん…ん、んんっ…」
挿し入って来る舌に口内を探られ、淫靡な刺激にゾクゾクと背筋が震える。
膝の上から落ちないように夢中でぎゅっとしがみつくと、やがて唇を離した彼が小さく笑った。
「新しい家族が増える喜びをきみと分かち合える。すごく幸せだ」
「僕も、和真さんと同じです」
「これからも宜しくお願いします」
「はい」なにもこんなところで改まらなくてもいいのに。変なところが真面目なんだから。首を後ろに捻り、おでことおでこをくっつけて、目と目を合わせて囁き合うと、溢れんばかりの微笑みが零れた。
幾度となく口付けられ、素肌が触れ合う心地よさに熱い息が漏れる。
「かずまさ…ん、さわちゃ、だめ」
「どうして⁉」
「だって……」
「最後まではしない。信じて」
片方の膝を開かれ片手が秘部にしてきた。
「触れてもいないのに固くなってるね」
愉しげに笑いながら昂ぶった性器に指を絡めるとやわやわと扱きはじめた。
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