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卯月さんからの思いがけない贈り物

ピンポーン。 朝ごはんを食べていたら呼び鈴が鳴った。 「ヤスさんかしらね」 お婆ちゃんがモニターを見ると、 「ほらやっぱりヤスさんだった」 ぱたぱたとスリッパを響かせて玄関に駆けていった。 「新婚旅行に行くのに餞別をやるつもりでいたんだが、ヤスからきみが妊娠したって聞いてそれで結婚祝いと妊娠おめでとうのお祝いを持ってきた」 卯月さんが居間に入ってきたから驚いた。室内用の車椅子をヤスさんが押して持ってきてくれた。 「小回りがきいて片手でもこげるらしい。あと和真さん、これは俺たちの気持ちだ。黙って 受け取ってくれ」 卯月さんが彼にご祝儀袋を渡した。 「車椅子を頂いたんです。これまで頂くわけにはいきません」 彼が卯月さんに返そうとしたけど頑として受け取ろうとはしなかった。 「おじちゃん、おはよー」 「お、心春ちゃんか。また見ないうちに可愛くなったな」 顔を綻ばせると頭を撫でてくれた。 「和真さん、ヤスから話しは聞いた。社会勉強をさせるのも彼のためだと思う」 卯月さんが手招きするとひとりの青年が恥ずかしそうにドアから顔をちょっこりと覗かせた。

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