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読んでいただきありがとうございます‼ お礼SSママ友との出会い

緊張からか心臓がどきどきしてきた。そわそわと落ち着かなくて、何度も円花ちゃんを抱き直していたら、静かにドアが開いて目がくりくりした可愛らしい女の子がちょっこりと顔を覗かせた。 「もしかしてこはるちゃん?あたし、ハルちゃんだよ。おいで、おいで」 屈託のない笑顔で手招きをしてくれた。 「四季おいで」 このひとがもしかして未知さん? 栗色のさらさらした髪に印象的な黒目がちの瞳。色白で透明感のある一見すると女性かと見間違える可愛らしい顔立ちをしていた。 「未知さん……ですか?」 自信がなかったからおそるおそる聞くと、 「僕、那和《なお》だよ」 「ごめんなさい。間違いました。あまりにも可愛いから未知さんかなって思って」 「ありがとう。でもマーのほうが何倍も可愛いよ」 「マー?」 「中国語でママっていう意味」 紗智さんがそっと教えてくれた。 「亜優も那和も俺の弟。色々あって離れ離れになっていたけどマーとバーバが兄弟を引き合わせてくれた。感謝してもしきれない。恩人だよ」 亜優さんに車椅子を押してもらい部屋のなかに入った。壁紙もソファーのカバーもピンク一色。唖然としていたら、 「四季さん……だよね?」 声を掛けられどきっとして顔を上げた。

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