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読んでいただき有り難うございます!ママ友との出会い
ヤスさんの案内でどきどきしながら中に入ると、がらんとした広い空間にベットがふたつ並んでいた。天井からレースの蚊帳が吊るしてあった。
「電気も水道も使える。エアコンも使えるから、寒くないようにして寝たらいい。トイレはエレベーターの前にある。カーテンが間に合わなくてすまなかった」
「いや、大丈夫だ。寝れればそれで十分だ。ヤスさんありがとう」
「礼はオヤジに言ってくれ」
こはるちゃんは遥香ちゃんや晴くんたちにいっぱい遊んでもらった。
小学一年生の一太くんと二年生の奏音くんが、一歳の太惺くんと心望ちゃんを抱っこして連れてきてくれた。こはるちゃんは目をまんまるくして驚いていた。
遅くなるとじぃじとばぁばが心配するからそろそろ家に帰ろう。彼が声を掛けると、こはるちゃん帰りたくない。もっと遊ぶと駄々を捏ねはじめた。
未知さんや卯月さんのご厚意に甘えて今晩だけここに泊まることにした。明日も遊んでもらう予定だ。今日が土曜日で良かった。
「こはるちゃん」ドアが開いて紗智さんと手を繋いだ遥香ちゃんが姿を現した。
「さっちゃん、よかったないてないよ」
心配して追い掛けてきてくれたみたいだった。
「ありがとう遥香ちゃん」
頭を撫でると、
「しきさん、こはるちゃんといっしょにねてもいいですか?」
「うん、いいけど……あ、でも、夜泣きするし、遥香ちゃんに迷惑かけちゃうから」
「たいくんとここちゃんとひまちゃんも、み~~んな、よるなくからだいじょうぶ。オムツもこうかんできるよ。ハルちゃんにまかせて」
四歳とは思えない頼もしいひと言に呆気にとられてしまった。
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