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第三章・6
「ちょ、何? その顔!」
翌朝、学校で波留は紫苑に驚いた。
口元が紫色に変色し、少し腫れている。
「来夢に殴られた」
「何で!? 何で喧嘩なんかしたの!?」
「たいしたこと、無い」
それより、と紫苑は波留に逆に訊いた。
「クリスマス、どうするんだ? 来夢と過ごすのか?」
「うん。昨夜遅くに電話があってね。俺にはお前だけだから、って」
好きだよ、愛してるよ、って言ってもらえた、と波留は素直に嬉しそうだ。
「そっか。良かったな」
「うん!」
紫苑も早くイイ人見つけなよ、と言う波留の言葉が痛い。
「俺、恋人できたから」
「う、嘘!」
「来夢の友達」
「大学生!?」
「うん」
詳しいことは何も話さず、紫苑は波留の元から離れた。
(これでいいんだ)
自分の心に蓋をして、窓際に歩いて行った。
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