25 / 69

第三章・6

「ちょ、何? その顔!」  翌朝、学校で波留は紫苑に驚いた。  口元が紫色に変色し、少し腫れている。 「来夢に殴られた」 「何で!? 何で喧嘩なんかしたの!?」 「たいしたこと、無い」  それより、と紫苑は波留に逆に訊いた。 「クリスマス、どうするんだ? 来夢と過ごすのか?」 「うん。昨夜遅くに電話があってね。俺にはお前だけだから、って」  好きだよ、愛してるよ、って言ってもらえた、と波留は素直に嬉しそうだ。 「そっか。良かったな」 「うん!」  紫苑も早くイイ人見つけなよ、と言う波留の言葉が痛い。 「俺、恋人できたから」 「う、嘘!」 「来夢の友達」 「大学生!?」 「うん」  詳しいことは何も話さず、紫苑は波留の元から離れた。 (これでいいんだ)  自分の心に蓋をして、窓際に歩いて行った。

ともだちにシェアしよう!