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第四章・8
「これがご飯?」
「ああ。腹減ったろ、食えよ」
波留は、来夢のマンションで彼の用意した弁当を食べていた。
新しくて広いマンションに、わくわくと胸躍った波留だったが、わびしい食事を終える頃には物足りなさを感じていた。
「ね、紫苑は今頃何してるかな」
「さあね」
「夕ご飯、何作ったのかなぁ」
「まだ食い足りないのか?」
そうじゃないけど、と波留は少し唇を尖らせた。
「紫苑いなかったら、ちょっぴり寂しいね」
「確かにあの晩飯がもう食えないとなると、惜しいな!」
だから、波留を食っちゃう!
そのまま来夢はソファに波留を押し倒した。
「や! お風呂に入ってからぁ!」
「たまにはいいだろ。波留の匂い、かがせろよ」
「いやぁ、もう! 変態!」
「じゃあ、一緒に入るか?」
「さらに変態!」
何だよぅ、と来夢は不機嫌を演じた。
「恋人なら、一緒に風呂くらい入るだろ」
「入るの?」
「入るよ」
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