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第八章・2

「俺の部屋は和室だから、布団だぞ。いいのか?」 「かえって新鮮~」  今度、長兄の洋間を片付けて、ベッドを使えるようにしておこう、と考えながら、紫苑は押し入れから布団を出した。 「紫苑の部屋、初めて入る。嬉しいな」 「そ、そうかよ」  畳に襖、サッシにはカーテンの代わりに障子。  家具も木調のものが多く、温かな印象を波留は受けた。 「あの、さ。先に渡しとくけど」 「何?」 「クリスマスプレゼント」 「ええっ!? 嬉しい、ありがとう!」  急いでラッピングを解くと、中からはポップなベルトの時計が出てきた。 「わあ、Gショックだぁ! 小林くんが選んでたやつ!」 「お前、欲しいって言ってたろ」  ベルトの色は、明るい黄色だった。  元気の出る色だ。 「ありがとう、紫苑。大切にするね」  そう言う波留も、リュックから何か取り出した。

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