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第八章・5
紫苑は、できるだけ優しく波留を抱いた。
興奮して、気が急いて、それどころではなかったが。
いっそ、もうすぐにでも波留を貫きたいとさえ思ったが。
「あ、あぁん。紫苑、そこ、気持ち悦いぃ……」
こんな言葉を聞かされると、永遠にそこばかり弄っていたくなる。
「あ、はぁッ! あっ、あッ、ダメ! 僕、イッちゃうぅ!」
震える身体を感じると、ずっとそれを味わっていたくなる。
だがしかし。
「な、波留。俺、もう限界。挿れてもいい?」
「いいよ。来て……」
波留の形の良い脚をぐっと広げて、紫苑はさんざんいじめた紅い蕾を眺めた。
「ヤだ。あんまり見ないで」
「え、あ、ごめん」
硬く張ったペニスを掴み、先端をそっと後膣にあてがった。
こう見えて、波留はまだ発情期を迎えていない。
中出ししても妊娠の恐れはないが、紫苑は訊いてみた。
「スキン、着けた方がいいか?」
「もぅう、いまさらそんなぁ。お願い、早く挿れてぇ……」
紫苑は、生唾を飲んだ。
これが、夜の波留。
恋人にだけ見ることが許される、波留の淫らな一面。
息を荒げながら、紫苑は波留と一つになった。
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