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お兄さんといいことがしたい!②

 服の上から兄のものを撫でる。口ではやる気の無さそうなことを言うけれど、もう芯がちゃんと通っていて、掌でなぞり上げれば、ひくりひくりと蠢いて硬度を増す。  布越しにごしごしとよく擦ってから、下着の中に手を入れる。蒸れて温かい空気が籠っている。根本から先端まで繰り返し繰り返し、動物の背中の毛並みを撫でるように撫でると、やがて先端が潤んできた。  兄を仰向かせ、ズボンと下着を膝下までおろす。僕は布団の中で下半身を裸にし、ごそごそと移動して兄の上に乗り上げる。そして兄のものに自分のものをぴったりと押しつけて、二本一緒に握り込む。僕のはもう先走りをしとどに溢れさせている。それを僕のものと兄のものに塗りたくり、塗り広げて、互いを擦り合わせる。ぐちょぐちょと卑猥な音がする。  腰を動かしながら、左手は兄の右手に繋ぎ、唇や首筋の(つがい)の証に口付ける。僕のものも兄のものも今にもはち切れそうなほどにパンパンになった。僕は兄の唇から唇を離した。唾液が細い糸となって僕の唇と兄の唇とを繋いでいたが、すぐにふっつりと途切れて消えていった。 「お兄さん」  弾む息をそのままに僕は言った。 「僕もうお兄さんの中に入りたい。入ってもいいですか?」  こくりと首肯く、兄の頬が色づいている。僕は感謝の口付けをして布団を這い出し、枕の下から取り出した避妊具を身につける。粘液に濡れた右手で避妊具の表面を触らないよう気をつけつつ慎重に、根本までゴムを引き上げて覆う。 「どの体位がいいですか?」  そう問えば、予想通り兄はごそりと寝返りを打ち、こちらに背中を向けた。 「後ろから抱え込んで突くやつ」  僕は兄の背に身を沿わせ、背中を抱いた。臀部の割れ目に僕のものを挿し込ませる。先でトントンと数回ノックするように兄の入り口をつつき、そして一息に突き入れた。 「んっ」  兄の背中が強張る。馴らしていないのに、兄の中は柔らかく熟れていて、僕がゆっくり二三度腰を振ると、兄の背中の緊張も解けていった。後ろから兄の顔を覗き込み、口付ける。薄暗い黄色い光に淡く照らされた室内に、ちゅっちゅっと湿気った音が満ちる。花開くように、兄のΩの香りが溢れる。夕焼け空の匂い、季節外れの桜の匂い。暫くは兄を攻めることをせず、堪能する。  兄がこの体位を好きなのは、これだと身体の角度的に、僕のものが奥深くに、兄の体内の、Ωの内性器に続く道に、入りづらいからだ。ちゃんと避妊具を着けていてさえ、兄は少し怖がる。奥深くまで入られて、もしも万が一のことが起きてはと。  僕としては、それはそれで全然構わないと言いたいところだけれど。お金はどうにかなるにしても、やっぱり子供を産むということはΩにとっては命懸けな訳で。兄が理仁(りひと)を出産するときに立ち会った時のことを思い出せば、確かに軽率なことは出来ないにしても……。

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