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お兄さんだって(たまには)いいことがしたい!③

 とりあえず、妊娠中に性欲が高まるのは異常ではないとわかった。では、次の問題は、妊娠中に性交をしてもいいのかどうか。検索窓に『妊娠中 セックス 大丈夫?』と入力して……。 「お、妊娠中でもして大丈夫みたいです。ただし、体調が悪くなく、清潔に。そしてゴムが必要」  なるほど。ゴムならお泊まりセットの中に入っているはずだ。僕は部屋の隅に置いてあった旅行鞄を漁った。今年最初の帰省の時に兄としようと思って用意したゴムが、ちゃんと鞄の内ポケットにあった。箱の縁が掠れて潰れているけど、まだ未使用のやつ。 「ゴムありました。それじゃ、しましょう、お兄さんっ」  と、ちょっと待った。妊娠中はどんな体位がいいだろうか。最近、兄のお腹は少し膨らんできたし、きっとお腹に負担をかけないものがいいはず。『妊娠中 セックス 体位』で検索、検索。……お、横向きに寝たままとは! これはまさに、兄が好きな体位ではないか。  僕はてきぱきと準備をした。掛け布団を退けて敷き布団の上にバスタオルを広げ、枕元にはゴムとティッシュの箱を置く。あ、喉が乾いた時用に、水のペットボトルも用意しておこう。清潔第一だから、手も洗ってこなくちゃ。除菌のウエットティッシュも必要かな。 「さぁ、準備万端ですよお兄さんっ。さっそくしましょう! 僕、お兄さんを満足させてみせますよっ」 「さっそくしましょう、って。色気ねぇな……」  と、ぼやきながらも、兄は布団の端の端から、僕が整えた寝床まで、もぞもぞと這ってきた。兄は僕の枕に頭を横たえると、またスンスンと鼻を鳴らして枕の匂いを嗅いだ。もて余した欲情の為か、猫が毛布を懸命に踏みしだくときみたいに、膝を立てた足を交互に動かしている。そんな兄の脚からズボンとインナーを引き抜く。脱がした下着には、既に大きな染みができていた。もしかして、僕があれこれ検索している間に、こっそり自分で扱いていたのかな。  脚を大きく開かせて、脚の間をじっくり検分する。少し膨らみ始めたお腹の下、兄のものははち切れそうなほどになっている。その下、臀部の割目の奥は、常夜灯の下では陰になってしまい、よく見えないけど……。淡く光の当たる部分は、溢れた体液でぬめり、てらてらと輝いている。  清潔第一だ。僕は除菌ティッシュで手指を入念に拭き、それから兄に「ちょっと冷たいですよ」と予告して、兄の陰部をこれまた除菌ティッシュで丹念に拭った。除菌ティッシュの表面にぬるぬるの粘液が着いてくる。兄の身体はもう準備ができているのかもしれない。 「指、挿れますよ。痛かったら言ってくださいね」  ゆっくりと兄の胎内に指を挿入した。いきなり二本挿れても余裕だった。兄が「ふぅ……」と艶っぽい溜息を漏らす。僕は浅い挿入で、大きな円を描くように中を押し拡げていく。兄の内側は充分に潤んで柔らかい。これならすぐに身体を繋げても大丈夫そうだ。

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