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 何がきっかけで、僕はそんな話を高橋先生から聞くことになったんだろう?  通話を終えたばかりのスマホの画面を見つめて、今のやり取りを思い返してみる。けれど、上手く思考が回らない。  どうしよう、とただ、小さく呟いた。 『……梓と滝口さんに、です、か……』  高橋先生の控えめな声音が耳に蘇る。まるで触れるのを躊躇うように、慎重に、その二人の名前を口にした。  そうだ。始めは僕から、高橋先生に電話を掛けたんだ。  用件は、来週のレッスン日に変更があったと報せること。急な話ではあったけれど、もともとそうなるかもしれないとは伝えていた案件だった。  高橋先生もすでに都合は付けていてくれたようで、快く了承してくれた。  そこで、僕からの用は終わり。  そのまま電話を切ろうとすると、高橋先生は「あの、良ければ」と僕を呼び止める。  いわく、とあるレセプションパーティーの招待状が余ってしまうから、貰ってくれないか、とのことだった。  パーティーの日付は来週。高橋先生が休暇を取ろうとしていた日。……余ってしまう、というのは、彼自身が行けなくなってしまったから、ということに他ならない。  レセプションパーティーと言ってもそれほど堅苦しくはなく、大々的な宣伝を兼ねているから、誰であれ参加者は多い方がいい。高橋先生が受け持っているテレビ番組の関係者から回ってきた招待状だということもあって、パーティー会場には有名人もたくさんいるはず。  ただし、ペアでの参加が条件。  最初から断るつもりで話を聞いていた僕は、その一言でなお、固辞する意思を強めた。  ペアは必ずしも男女である必要はない、とのことだったけれど、だとしても、平日のパーティーに大輔は呼べない。……そして大輔以外、僕にそういう場に誘い出せる友達なんて心当たりがなかった。  だから、言ったんだ。 「篠宮君と滝口さんなら、そんな華やかな場所も似合いますし、喜んでくれそうですね」って。

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