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「っ……」  ベッドの上に寝かされると、そこにあるのは、驚くくらいに濃い滝口さんの気配だった。におい。すうと吸い込んだそれが肺に触れた瞬間、僕の全身がぞくぞくと粟立つ。 「瑠姫君」 「ぁっ、ん」  その状態でキスをされたら、身体がばらばらになりそうなくらいに甘くて強い痺れが走り抜ける。心臓の鼓動もどんどん速くなって、まるで本当に溺れてるみたいに、息が上がった。 「瑠姫君……、興奮してる?」 「ん、ん」  わかんないよ。  でも、キスをやめないで。 「は……」  空っぽになった口の中がさみしくて、唇を閉じたくなかった。僕はお腹が空いたとねだる雛鳥みたいに舌を覗かせたまま、滝口さんを見上げる。……しっかりと厚くて、ちゅうと吸うとなぜだかおいしくて、擦り合わせると気持ちいい。その舌を、取り上げないで。僕から。 「参ったな……」  滝口さんはなにかを独り言ちると、僕と舌を合わせるために、こちらへ覆い被さってきた。 「ン……っ」  さっきまでより強く、深く、貪るように愛撫されて、頭の芯がぼうっとする。夢中で舌を交わす合間、びくん、と急に自分の身体が跳ねて、僕はそれにびっくりして目を開いた。うまく像を結ばない視界の中で、なにが起きたんだろうと原因を探すうちにも、じりじりとしたやわい刺激は与えられ続けている。……胸? の、さきっぽだ。  いつの間にか僕の衣服はインナーまでしっかりたくし上げられていて、晒された小さな胸のさきに、滝口さんの指がいたずらを仕掛けてるんだった。 「……そんな、とこ」 「気持ちいい?」 「ん……」  どうして、触るの。そう訊くはずだったのに、唇を合わせられたら、キスをしたくなる。ちゅうちゅうとお互いの舌を吸ってばかりいるうちに、滝口さんの指は、僕の反対側の胸も弄り始めた。 「あ、ん」 「瑠姫君のここ、すごく可愛い……」  やんわりとキスを解いた滝口さんが、変わらず両方の胸のさきを指で弄りながら、僕の首すじへと顔を伏せる。耳の近くで、「見える?」と訊いた。 「もう真っ赤にぴんと勃ってて、舐めたら美味しそう」 「アッ」  言う間にも、濡れた舌先をれろりと押し当てられる。びりびりとした刺激が皮膚の下を駆けるようで、僕は背を反らした。シーツから浮いた背の下、うすい隙間に自身のてのひらを潜りこませて、僕の上半身を支えながら、滝口さんはなおも胸を舐める。唇を当てて、吸う。

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