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第一章・2
「リニューアルオープンの立案、皆がこぞって新しい事案を大沢さんに提出しているそうじゃないですか」
「いいんだ。新風は追い風になる。良い傾向さ」
「しかし、それで大沢さんの業務が二倍三倍に」
そこまでで、英治は笑い出してしまった。
普段は空気が読めないはずの鹿久保くんが、私に一体何を言いたいのか。
「少し休め、とは言ってくれるなよ。心配してくれるのなら、目薬の一つも持って来てくれないか」
出過ぎた真似を、と伊予は慌ててかしこまった。
(それでも大沢さんは、お疲れなんだ……)
ひとつの心配事を胸の内で膨らませながら、伊予は英治のデスクを離れた。
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