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第三章・5
男の指先が、伊予の体液をすくってねちねちと棒茎になすりつける。
「あ、ダメ。もう、もう赦してください」
「ダメじゃねえだろ。悦いんだろ?」
こんなになっちまってるもんなぁ。
男が握る伊予のペニスはすっかり充血し、ショーツからはみ出してしまっている。
「俺もダメ。もう、こんなに元気になっちゃった」
痴漢は伊予の手に、ぐりりと硬いものを押し付けてきた。
(ヤだ! 痴漢のペニスなんか触りたくない!)
しかし男は、耳元で悪魔の囁きをこぼしてくる。
「なぁ、擦ってくれよ。そしたら、終わりにするからさぁ」
その言葉に、ぎちぎちに張り詰めた痴漢のものを、伊予はそっと扱き始めた。
(これで終わるなら! これでお終いにしてくれるなら!)
「あ~、いい。巧いね、あんた。どっかの店に勤めてんの?」
「水商売なんか、してない!」
「だったら、俺がいい店紹介してやってもいいぜ?」
そしたら毎日通ってやるよ、といやらしい笑いと共に男は言った。
(くッ、もう泣きそう……)
ふと、大沢の顔が頭に浮かんだ。
同じ人類の男のはずなのに、どうしてこんなに違うんだろう!
(大沢さん、ごめんなさい。僕、痴漢のペニスなんか掴んでます……)
汚れてしまった、と伊予は感じた。
(僕はもう、大沢さんにふさわしい人間じゃないんだ)
猛々しく反りかえった痴漢のペニスは体液でてらてらと光り、次の狙いを定めていた。
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