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第三章・6
「準備完了。さ、お兄ちゃん。いや、お姉ちゃん、って呼んだほうが嬉しいのか?」
「何ですか。もう、済んだでしょう!」
仕上げがまだだ、と痴漢は伊予のストッキングとショーツを一気に下げた。
これまでの行為で、きゅんきゅんに熟れた伊予の蕾があらわになる。
「思った通り、物欲しそうにしてやがる」
「ま、まさか」
男の硬い先端が、伊予の柔らかな後膣にあてがわれた。
「イくぜえぇ」
「や、ちょっと、待ッ! や、やめ……ッ!」
ぐちり、と先端が挿入った。
伊予はもう、くらくらと倒れそうだった。
これから始まる狂乱への期待。
相反する、拒否のわななき。
そして、大沢の姿が脳裏に浮かんだ。
「ヤだ。嫌だ。大沢さんん!」
すると、途端に耳元に漂っていた煙草の臭いが勢いよく後ろへ去った。
「あんた、止めないか!」
痴漢と伊予の間に、ようやく救助の手が差し伸べられたのだ。
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