22 / 32

第三章・6

「準備完了。さ、お兄ちゃん。いや、お姉ちゃん、って呼んだほうが嬉しいのか?」 「何ですか。もう、済んだでしょう!」  仕上げがまだだ、と痴漢は伊予のストッキングとショーツを一気に下げた。  これまでの行為で、きゅんきゅんに熟れた伊予の蕾があらわになる。 「思った通り、物欲しそうにしてやがる」 「ま、まさか」  男の硬い先端が、伊予の柔らかな後膣にあてがわれた。 「イくぜえぇ」 「や、ちょっと、待ッ! や、やめ……ッ!」  ぐちり、と先端が挿入った。  伊予はもう、くらくらと倒れそうだった。  これから始まる狂乱への期待。  相反する、拒否のわななき。  そして、大沢の姿が脳裏に浮かんだ。 「ヤだ。嫌だ。大沢さんん!」  すると、途端に耳元に漂っていた煙草の臭いが勢いよく後ろへ去った。 「あんた、止めないか!」  痴漢と伊予の間に、ようやく救助の手が差し伸べられたのだ。

ともだちにシェアしよう!