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第四章・6
伊予はもう、何回イッたか知れない。
だが英治は、ずいぶん長いこと自分を保っていた。
快楽で涙を流し、伊予はウィッグを掴んで脱ぎ捨てた。
「お願い、英治さん。僕に。僕自身に種付けしてください!」
伊予でありながら伊予でなかった、女装姿の彼。
その肢体を延々犯しながら、急に英治は現実の伊予を目の当たりにした。
「か、鹿久保くん!」
「伊予って呼んで!」
か、鹿久保くんって、こんなに可愛かったっけ?
機械のように動いていた腰が、途端にたどたどしくなった。
「あ、だめ。イく。イくうぅ!」
「イッっていいよ、伊予」
「ダメ。イヤ。一緒がいい。お願い、英治さん。一緒にぃ!」
解った、とさらに深く、速く、細かく抉った。
「ぅあッ、あぁッ! もうダメッ、出るッ! いっぱい出ちゃうぅ!」
「伊予、一緒に!」
勢いよく伊予が精を放つとほぼ同時に、英治も彼の体内に解放した。
「ひぁ、ああ! おナカの内、熱ぅいい!」
その言葉に、英治は自分の腹を伊予の白い腹部に押し付けた。
「う、あ。あぁ、あ。はぁあ、あぁ。ふ、震えて……」
「伊予、素敵だったよ」
長い射精が終わり、英治はようやく伊予からペニスを引き抜いた。
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