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第四章・7
どさり、と自分も伊予の隣に腰かけ、英治は彼の髪を優しく梳いた。
「男の娘、じゃなくって、男の伊予の方が何倍も魅力的だ」
「英治さん……」
「ソファ、ずいぶん派手に汚しちゃったなぁ。ごめんね」
「いいんです」
今度一緒に、新しいソファを見に行こう、と誘われ、伊予は舞い上がった。
「あの、英治さん。それって」
「これからも、お付き合いしてくれる?」
「は、はい!」
では、と英治は膝にぽんと手を付いて立ち上がった。
「お風呂に入ろう。伊予、ぐちゃぐちゃだぞ?」
「あ、は、恥ずかしい……」
精液まみれの伊予は、とりあえずウェットティッシュで大きな汚れを落とした。
その間に、英治がバスタブに湯を張ってくれている。
「おおい、もういいよ」
伊予を呼ぶ声に、バスルームへ走ってみると、そこにはすでに素裸になった英治がシャワーを使っていた。
「英治さん、まさか」
「一緒に入ろう。二回戦だ」
お、お風呂エッチ!
くらりと来た伊予だったが、イヤではない自分がここにいる。
「お手柔らかに……」
「さ、きれいに洗ってあげよう♡」
ボディソープを手にした英治の目つきが、やたら嬉しそうだ。
観念した伊予は、その身を彼に預けていった。
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