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第一章・5
思わぬ邪魔が入ったおかげでお楽しみをふいにされてしまった凱は、ひとり男子寮の自室でワインをあおっていた。
まだ飲酒のできる年齢ではないが、そんなことお構いなしだ。
飲みたかったら飲む、寝たかったら寝る。
一度きりの人生だ。好きに生きていたいのだ。
「怜也のやつ、あと少しでイけたのに邪魔しやがって。大体、女と寝るように仕向けたのは、お前のせいだ。色気だだ漏りにしやがって」
そして、現場を眼にして驚いていた怜也の顔を思い出し、くすりと笑った。
「あの顔は、慣れてねえな。もしかして、まだ処女か? いや、男だから童貞か」
もう10代も半ば過ぎというのに、まだエッチしたことねえのか。
だったら。
ワインを1本空けてしまった凱の頭はすっかりいい気分になっており、普段なら考えもしない事がするする浮かんでくる。
「だったら、俺が抱いてやろうじゃねえか」
そう、好きに生きたらいいのだ。
寝たかったら寝る。そっちの方が、俺らしいじゃねえか。
酔いの回ったご機嫌な心地で、凱は怜也の部屋のある第二男子寮へと向かい始めた。
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