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第二章・4
映画館を出て、カフェに入った。
テラスで気持ちよく風を受けながらメニューを開く。
これも学校では褒められた行為ではないのだが。
色とりどりのメニューに迷っている怜也だったが、周囲をちらちらとうかがう目の先にあるものは、凱には解かっていた。
「コーヒーと、紅茶と、それからフルーツパフェ」
え、と怜也は目を円くした。
僕は、紅茶しか選んでないのに。
「滅多に来られねえだろ。食いたいもん食っとかなきゃ後悔するぜ?」
どうしても罪悪感から逃れられない様子の怜也。
でも、パフェが運ばれてくると喜色満面で冷たく甘いパフェを口にした。
味見させてくれよとティースプーンを伸ばす凱と一緒に、ひとつのパフェを味わった。
楽しい。すごく楽しい。
ようやくそう感じる余裕が出てきた頃は、もう夕暮れ時だった。
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