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第二章・11

 つまみに持ってきたチーズをかじりながら、自分は時折ワインを飲む。  そんな凱を傍で見ながら、いつしか怜也の手も、そろそろとグラスに伸びていった。  二人で寄り添って本を眺めては、いつかこんな場所へ行ってみたいなどと笑う。  その合間に、グラスを傾ける。  そんな事を繰り返しているうちに、怜也はすっかり悦い心地になってしまったらしく、凱にもたれかかってきた。 「いつか、本当に連れてってやるからな」  いつになるか解からない約束も、甘い響きで怜也の耳に届く。  今は、別の場所へ連れてってやる、と心の中で囁いた後、凱は怜也に口づけた。  いつもの、軽いお子様向けのキス。  だが、今日はそれを何度も何度も繰り返した。  緩急をつけ、角度を変え、次第に深く口づける。  そして、仕上げとばかり、長く長く唇を吸った。  つなげたまま首を傾げ、そろりと舌を伸ばす。  緩く開いている怜也の咥内に、久々に忍び込んでいった。  ぺろりと舐めただけで、離れる。  眼を見て、確認する。  うっとりと潤んだ瞳。  これはいける。  今度は、少し長い時間かけて舌で愛撫した。  柔らかくて甘い怜也の細い舌を、慈しむように時間をかけてゆっくり舐めた。

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