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第二章・12

「んっ。ぅん、ふっ……」  次第に濡れた音が響き、その合間に怜也のかすかな声が混じるようになってきた。  そろりと伸ばされた怜也の舌が、凱に絡みついてきた。  いい調子だ。  舌を絡ませ合いながら、手で肩を、背を撫でた。  じっくりと舐め上げる舌の動きに合わせて、背を、腰を、腿を撫でた。  口づけを終え、眼を合わせながら手の動きはやめない。  体を撫でさすりながら、唇でなく額に軽くキスをした。  ほんの少し。  額にキス、瞼にキス、そして耳にキス。  抵抗のない部分から攻めていく。  耳にキスをした時、怜也の体がわずかに跳ねた。  感度いいな、と内心嬉しく思いながら、耳から顎に移ってキスをした。  名残惜しいが、まだまだ先は長いのだ。  耳だけに執着するわけにはいかない。  顎にキス、服の上から肩にキス、そして首筋にキス。  キスをしながら、静かに、ゆっくりと怜也のシャツのボタンを、ひとつひとつはずしてゆく。

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