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第三章・3
ほら、今夜も凱がやって来た。
ソファに座り、寄り添い、本をめくりながら体を撫でてくる。
時々、耳や首筋に顔を埋めてキスをくれる。
甘い息が漏れる。
くたんと横になると、シャツの裾から手を忍び込ませ、凱の手がお腹を撫でる。
胸まで伸びて、撫でてくる。
「んっ、あ。ふぅ、あっ」
はぁはぁと息が上がる。
もうダメ。苦しい。
そこで、やめてくれる。
罪のない、軽いキスをおしまいの合図にして、床に落ちた本を拾う。
おやすみのキスは、あの日から少し長くなった。
舌を絡ませあい、濡れた音を立てて求め合うようになった。
でも、もう怖くはない。
また明日、会える。
そう思うと胸が温かくなる。
そして、ドキドキと鼓動が速くなる。
明日もまた、凱が僕の体をいじりに来る。
そう思うと、全身が熱くなる。
僕は一体どうしちゃったんだろう。
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