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第三章・7
安心した凱は、準備していたローションを手に取った。
「これで後ろ、慣らすから。指、入れるけど痛かったら言えよ?」
怜也に伏せてもらって、背後から慣らすほうがやりやすそうではあったが、顔色を見ながら行った方がいいだろう。
痛そうだったり、苦しそうだったりしたら、すぐにやめることができる。
ローションを手にたっぷりと取り、後ろに塗って後膣に流し込むように送った。
指にも絡めて、そっと差し入れる。
ぴくん、と体が跳ね、指が締め上げられる。
焦らず、ゆっくりと念じながら、表面付近をもう片方の指腹で押したり撫でたりしながら、時折体内の指を進めてみる。
しばらく続けるうちに、指一本は根元まで入るようになってきた。
「痛くないか?」
「ん……」
大丈夫、力抜いて、と囁きながら、ゆっくりと指を出し入れしてみた。
片手は腹や腿を撫でさすり、怜也がリラックスできるように努める。
この状態に慣れ始めた頃を見計らって、またローションをたっぷりと流し、もう一本指を準備した。
「んッ、ぅん」
「痛くないか」
今、二本入ってるって解かってるかな、と思いつつ、凱は怜也の顔色を伺った。
眉根をよせ、はぁはぁと口で呼吸する姿は苦しそうに見える。
この辺で気持ち悦くさせてあげないと、と凱は指を曲げて怜也の体内を探った。
指腹で内壁を押し、敏感な部分を探す。
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