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第三章・14

 あぁ、そんな。  食いたかったら食う、飲みたかったら飲む、寝たかったら寝る、が俺の信条じゃなかったのか?   すっかり怜也を一番に考えるようになってしまった自分が、ここにいる。 「凱」 「なッ、何だよ」  気取られたかと、凱は慌てた。  柄にもなく、顔が熱くなる。  だが、怜也はそんな凱の赤い耳元に唇を寄せ、信じられない言葉を口にした。 「もう一回、したいな……」 「マジ?」  どうやら変わってしまったのは、自分だけではないらしい。  絡められる素足の滑らかな感触が、ひどく官能的だ。  総合格闘技の相性は悪いが、体の相性は最高にいいらしい。  今度はちゃんと、スキンを着けるかどうか訊く余裕を持って、凱は怜也にゆっくり被さっていった。

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