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第二章・4

「あの、それで、今日から放課後に、練習が始まるから、一ノ瀬くんも……」 「何ィ!? 居残りだぁ!?」 「ひぃ! すッ、すみません!」  いちいち謝る匠に、もういいからあっちいけ、と凱は手をひらひらして見せた。  ほっとしたように、小走りで去っていく匠。  その足で天知の所へ行き、何やら話している。  ちゃんと俺に台本を渡して、居残りするように伝えました、と報告しているのだろう。  損な役回りはすべて自分ではなく、匠のような弱い立場の人間に押し付けるところも、天知の嫌な部分だ。  凱は立ち上がると、怜也を探しに教室を出た。  あの可愛い姿でも拝まなくては、到底不機嫌は治まりそうになかった。

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