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第二章・7
匠までもが息を詰めて見守る中、賽が振られた。
出た目は……1と……2! ……に傾きかけた目が、ゆっくりと1を上にして落ち着いた。
「はい、俺の勝ち~♪」
相手が凱である以上、この勝負無かったことにはできない。
天知はしぶしぶ、匠から奪った金を凱に差し出した。
「バッカ。てめえらの有り金、全部よこすんだよ」
「なッ……!?」
口止め料だ、と凱は笑うが、その眼は笑ってはいない。
仕方なく財布から札を全て抜くと忌々しげに地面にたたき付け、天知たちはその場を後にした。
「ほらよ、お前の取り分だ」
かき集めた金の中から凱は、先ほどカツアゲされていた額を匠によこした。
「え? え?」
「誰にも言うんじゃねえぞ」
「は、はい!」
ありがとうございます、と匠はうっすら涙さえ浮かべている。
天知なんかに付け込まれるお前の意気地の無さも問題だぜ、と凱はポケットに手を伸ばし、煙草を出した。
一本咥え、さらに匠に差し出した。
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