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第三章・12

 体を揺すってくる凱の、硬いものの気配がした。  後ろに当たり、擦り付けられてくる愛しい凱の分身。  怖い、怖い。怖いくらい気持ち悦い。  はぁ、と大きく息をついた。  薄く開いた唇から、わずかに唾液が流れた心地がした。 「来て……凱。挿れて……ッ」  ようやく許された言葉に、凱は瞼を閉じた。  音もなく深い息を吐き、痛いほど張りつめ猛り狂った肉塊を、怜也に押し付けた。  挿れるぞ、と声をかけてから、静かに腰を進めた。  途中速さを緩めながら、慎重に怜也の内に挿入っていく。  完全に埋め込み、片手でそっと髪を撫でた。  軽くうなずく気配がした。  怜也、どうやら大丈夫らしい。  膝裏に手を掛け、大きく脚を押し広げてゆっくり突いた。 「んぁ……」  挿入り、抜き、そしてまた挿れる。  ゆっくりと、ゆっくりと突いて、怜也の体を慣らす。  その心を解きほぐしながら、腰をやった。

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