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第三章・13
「んっ、ぅん。ふっ、う。んんぅ」
あぁ、凱。
凱が僕の内に挿入ってくる。
気持ちいい。
でも、恥ずかしい。
こんなはしたない声が出るなんて、信じられない。
ふいに、凱の先端が内壁の一部分に当たった。
「あぁあん!」
自分の出したあまりに激しい声にびっくりする。
意地悪な凱は、そこばかり狙って擦り付けてくる。
「あぁ! やッあ! あぁあ、いやぁあ!」
堰を切ったように、艶を含んだ悲鳴が上がった。
その声に、大きく体を揺すって凱は動き始めた。
速く激しくなった動きに合わせて、接合部が音を立てる。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅッ。
いやらしい音を耳にしながら、怜也の心は、凱の頭はどんどんヒートしてゆく。
「あぁん! あッ、あッ! はぁ、はぁッ、んあぁあ!」
「怜也、大丈夫、かッ? 気持ち、イイかぁッ!?」
「やッあ! ぃや。凱、いやぁあ!」
怜也の『イヤ』は、『イイ』って事だよな、と凱はのぼせ上がった頭で考えた。
腰を突くたびに、汗が飛ぶ。
暗闇の中でも浮かび上がる、怜也の白い肌に降りかかる。
その白い体が大きく引きつり、凱に生温かいものが飛んできた。
途端に、泣きじゃくるような声になる怜也。
どうやら先にイッちまったらしい。
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