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第三章・14
「あぁ、凱ッ。だめ……もう、ダメえぇッ!」
「いくぞ、怜也。出すぞ、内に、いいかッ!?」
「やッ、やッ、あぁ! あぁああ!」
ふいに、力が引かれるような感覚が。
それと同時に、怜也の内にたっぷりと吐き出した。
何という解放感。
それもそのはず、最近一度も出してなかった。
怜也の前では、ずっとずっと我慢に我慢を重ねてきたのだ。
「ッく、ぅあ……」
我ながら情けない声が漏れた。
どぷッ、どぷどぷッ、と出しながらぼんやり考えたのは、しまった、とのわずかな過ちに気づく心の声。
(またスキン付けるの忘れてた……)
しかし、それを咎めることなく怜也は凱の首にかじりついてきた。
そのまま倒れこみ、肌を重ねる。
互いの心音が、弾けるように響く。
「悦かった……」
放心したようにつぶやく凱の声に、僕も、と恥ずかしげな声が囁かれた。
「え?」
「もう、こっち見ないでよ」
顔を背ける怜也を抱きしめ、その髪にキスをした。
その首筋に、肩に、耳に、ところかまわずキスをした。
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