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第一章・5

「んぁあ!」  怜也の悲鳴があがる。  到底気持ち悦さそうには見えない。  もう一度ローションをたっぷり落とし、ねじ込むようにゆっくり進めてみた。 「んッん! んんぅ!」  ようやく半分ほど挿入ったが、それ以上は無理そうだ。  怜也の後膣は、押し出す勢いで締め上げてくる。  そっと引き抜くと、彼は枕から顔を上げてこちらを振り向いた。 「凱、お願い。やって。大丈夫だから」 「いや」  凱は怜也の傍らに横になり、優しく髪を撫でた。 「今夜はやめとこう。無理すっと、体に傷をつけちまう」 「……ごめん」  謝ることなんてねえよ、とキスをした。  何度もキスを繰り返し、泣きじゃくる怜也を慰めた。

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