90 / 144

第一章・10

「んんッ! や、痛ッ!」 「ちょっとだけ辛抱しろ。すぐに気持ち悦くなっから」  ぐ、ぐ、ぐっ、と全部内にハメた。  柔らかく温かな膣の感触は久しぶりだ。  何となく舞い上がっている気分を自覚しながら、凱は腰を動かし始めた。 「ああッ! あぁん、はッあ! あぁあん!」  少女は奔放に啼いた。  ここでもまた、対照的で控えめな怜也の声が思い出される。  誤魔化すように、凱はわざと卑猥な言葉を口にした。 「どぅだ? すっげぇ気持ちイイだろ?」 「あぁん、イイ。すごくイイッ! やッやッ、もっとおぉ!」  心地いい。  女の体は心地いい。  でも、それでも怜也の姿が心の中から消えることはない。  ひたすら、腰を穿った。  怜也の幻影から逃れるように、凱は夢中で動いた。  凱が吐き出すまでに、少女は何度となく絶頂に達した。  髪を振り乱し、腰をくねらせ、激しく喘いで貪欲に求めてきた。  体を離しても、しばらく抱きついたまま少女は離れなかった。  荒い息を整え、けだるそうにこちらを上目遣いで眺めてくる。 「煙草、ある?」 「あぁ」  ふたりでベッドに横たわったまま、紫煙をくゆらせた。

ともだちにシェアしよう!