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第二章・3

 植物園、温室、図書館と、怜也の居そうなところを片っ端から探し回った。  結局見つけたのは、昨日と同じ胡桃の木の下。  怜也は昨日と同じように本を読んでいたが、その心の中は大きく変わっていた。  そっと隣に座る。  人の気配を感じた怜也が、ちらとこちらを見るが、それが凱だと解かると顔をこわばらせて下を向いてしまった。  まいったな……。  昨日はここでこうして二人並んでいるだけで、満たされた気分に浸ることができたのに。  沈黙が流れる。  いや、必死で怜也を探して回ったのは、黙ってしまうためじゃない。  ちゃんと話すつもりなんだ。  ちゃんと話そうと思ってたんだ。  でも、言葉が出ないのはなぜなんだ?

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