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第三章 初めまして、夏
すっかり紅色に染まり硬くなった怜也の乳頭をこりこりと食みながら、凱はうっとりと指三本抜き差しさせていた。
手で口元を隠すようにして、怜也が声を漏らす。
なんとか必死に抑えようとしているが、耐えても耐えても漏れ出てしまう声は、あけすけに啼くよりも扇情的で、火に油を注ぐようなものだった。
緩く解れている怜也の秘所は、凱の指を難なく飲みこみ心地よい圧を加えてくる。
「悦いぜ、怜也。お前のここ、すっかり悪い子になっちゃったな」
「もう、やだ……ぁんッ!」
怜也を悦ばせる腹側の敏感な部分も、今夜はたっぷりといじめてやれる。
ローションと体液で濡れきった蕾はひくひくと蠢き、凱をひどく誘惑した。
はぁ、と深く熱いため息をつき、怜也の顔を覗き込んでキスをした。
「なぁ……、誘ってくれよ。俺の事」
誘っているのは凱の方だ、と怜也は焦点を失くしかけたまなざしで眼の前の男を見つめた。
(凱。髪を下ろしてたら、まるで別人みたい。知らない男の人に、誘われてるみたい)
手を伸ばして、凱の前髪を梳いた。
後ろに流すと、よく見知った凱が現れる。
でも、すぐに髪はぱらりと下りてきてしまう。
これも、凱。
誰も知らない、僕だけが知っている凱。
そう思うと、ぞくりと快感が走った。
体だけでなく、心も蕩かしてしまうような快感。
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