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第三章・2
「来て……。挿れて、凱」
言い終わると同時に、ぐっと先端が挿入された。
先回りして待ち伏せする肉食獣のように、穿ってきた。
「んッ」
「ハメるぞ」
ぐ、ぐ、ぐちぐちと体内に、凱の形が作られてゆく。
痛くない。
ううん、それどころか気持ちいい。
「あぁ……」
喉を反らせ、甘い声を漏らした。
愛しい人を受け入れる悦び。
もうそれだけでも感じて、漏らしてしまう。
ゆっくりと、凱が一度出てゆく。
逆らって引きずられる内壁の感触に、凱のものがまたひとまわり大きさを増してゆく。
「すっげ……、うぁぁ。お前ン内、気持ちい……」
つい、衝動的に腰をぶつけた。
いきなり押し込まれて怜也の体は大きく揺さぶられ、ベッドがぎしりと鳴いた。
「んッあ!」
「悦いぜ。悦いぜ、怜也……ッ」
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