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第一章・13

   そっと肩を抱かれる。  怖気が走る。  凱に同じようにしてもらうと、とても幸せな気分になれるというのに。 「あ、あの、ね、天知くん。この辺り、出るらしいよ」 「出る?」 「そう。実習で、事故にあって死んじゃった人の幽霊が」 「ええッ!?」  ヤバい雰囲気になったら、そう言え、と凱に含められていたとおり、怜也は天知を脅した。  確かに、過酷な実習で命を落とした人間がいる、との噂は誰でも知っている。  真実かどうかは、さだかではないが。  怜也の肩を抱く天知の手が、震えている。  それでも手を放さないところは天晴れだったが、周囲に青白い光がひとつ、ふたつと浮かんでくると、別の意味で怜也にすがってきた。

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