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第二章・7

「っん……」  眉をひそめ、軽く眼を閉じた怜也が、ひくん、と跳ねた。  首を反らせ、切ない声をひとつ。  水面からわずかに顔をのぞかせていた凱の分身は、怜也の内に呑み込まれていった。  波に体をとられながら、凱も腰をにじり上げた。  く、くくっと挿入ってゆく。  怜也の内にいざなわれて行く、自分自身。  信じられないくらい、スムーズに挿入っていく。  すべて呑み込まれてしまうと、今まで以上に互いの体温を感じた。  水の浮力で、普段とは違う一体感を覚えた。  気を抜くと、流されてどこかへ行ってしまうような怜也の体。  離れないよう、離さないよう、力任せに抱きしめた。  そっと、苦しげに呻く怜也の密やかな声が漏れる。  波に遊ばれながら体内で動く凱のものが内壁に当たり、擦り付けられるたびに、怜也は小さな小さな声を漏らした。  この月の光の、波の歌の静寂を壊さないように。  凱もまた、あえて自ら動くような真似はしなかった。  このまま、静かに。  体を海に、波にゆだねると自然に体は動く。  不規則な動きは、怜也を次第に追いつめてゆく。

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