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第二章・8

「は、あッ。ん、ん、ぅんッ」  凱に絡ませた怜也の腕の力が、強くなってゆく。  すがった腕に、かすかに爪が立てられる。  怜也の甘い声に、肌に食い込む指の力に、凱も充血していった。  腰をやってもいないのに、分身がどんどん硬く大きく育ってゆく。  怜也の体内で絞められ、絡みつかれ、押し戻されながら吐精感が湧き上がってゆく。 「……」  ぎゅうと凱にしがみつき、押し寄せる悦びの波に必死で耐えている怜也。  凱は、時折月の光にのぞく彼の唇が、何かつぶやいていることに気が付いた。  何? 何て言ってる、こんな大切なひとときに。

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