142 / 144

第二章・10

 暑い暑い残暑の太陽の下、凱は広い広い運動場を走っていた。  珍しいことに、自主トレだ。  怜也に誘われ、空いた時間に昼寝ではなく体力作り。  ほんの少し前までは、怜也と深く付き合いだす前までは、考えもしなかった行動だ。  眼の前に、白いうなじが見えてきた。  惜しげもなくさらされた、匂い立つような首筋。  にやりと笑うと、少し速度を上げてそのうなじに追いすがった。

ともだちにシェアしよう!