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参
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高校一年生の時、鈴斗は佐倉を中心とする何人かの同級生から酷い虐めを受けていた。理由は多分些細な事で、何故自分が標的になったか今でも良く分からない。
教科書を隠されたり、机を外に出されたり、時にはムカつくからと言って訳も分からず殴られた。学校を辞めたいと真剣に悩んだが、奨学生で入っているから、それだけはどうしても出来なかった。
二年生に上がった時に佐倉達とは離れたが、それでも虐めが止む事はなく、呼び出されては身に覚えの無い言い掛かりを付けられて……。
(でも、悠くんが助けてくれた)
優等生で面倒見が良く優しい彼の周りには……いつも沢山の人がいるから、これといって取り柄も無い自分を傍に置いてくれただけで鈴斗は凄く嬉しかった。
(だから、我慢しないと)
体を張って助けてくれた彼の代わりに、今度は自分が助けるんだと心の中で繰り返す。
「ひっ! ……あ、うぅぅ」
ローションのヌメリを借りた指がアナルに入ってきて、初めての感覚に気持ちが悪くて身体をよじるが、拘束された体は動かず尻だけがユラユラと揺れた。
「何? 鈴ちゃん尻振ってオネダリ?」
「積極的じゃん」
「違うっ、これは……あぁぅっ!」
「こっちも構って欲しそうに尖ってる」
横合いから伸びてきた指に乳輪ごと乳首をキュッと摘まれて、痛みと同時に襲った痺れに鈴斗は堪らずのけ反った。
「やっ、あっ……あぅぅっ」
羞恥と刺激に反応して、白い肌が薄紅に染まっていく。
「コッチは大分慣らされてるみたいだな」
「いっ、嫌!あ……あぅっ」
左右の乳首を揉み込まれ、いつの間にか二本に増えた指にアナルを掻き回されて、喘ぎとも悲鳴ともつかない声が口を突いて出た。
悠陽とは……セックスまではしていないが、扱き合う行為の他に、何度か彼に懇願されてシャツの前を開いて乳首を触らせた事がある。
互いの家には行けないからと、公園や学校の空き教室での行為だったが、敏感な鈴斗の体は、乳首が性感帯であることを直ぐに覚え込んでしまった。
「好きでも無い奴に触られてんのに、鈴ちゃん……キモチ悦 いんだ」
「ち、違うっ」
「嘘吐きな口には蓋しないとな」
「んっ……ふんぅぅっ」
近づいたカイの唇によって自分のそれを塞がれて、首を横に振ろうとするが、顎を掴まれ固定される。
「ちゃんと口開かないと、どうなるんだっけ?」
佐倉の声が冷酷に響く。
「ん、んうぅ……ふ」
何とか意味を読み取った鈴斗が噛み締めていた唇を開くと、ザラリとしたカイの舌が口腔へと入ってきた。
(熱い、身体が)
タバコ臭 いカイとのキスは気持ち悪いだけだったのに、舌を嬲られ吸われる内に徐々に感覚がおかしくなる。
「う……ん、うぅ……」
アナルを犯す指の動きと、くびり出すように乳首を弄る巧みな指の動きに煽られ、臍の下の奥の辺りに妙な疼きを覚えはじめた。
「鈴ちゃんの、勃ってきた」
「んっ……ふぅっ!」
ピンっと指でペニスを弾かれ、鈴斗の身体がピクリと揺れる。
「男でも結構クるな。もっと早く試しとけば良かった」
「顔も女みてーだし、これからはこっちの処理も鈴ちゃんに頼もうぜ」
佐倉とリクが笑いながら交わす残酷な会話を聞いて、堪えきれない涙がとうとう眦から零れ落ちた。
「どうせだから、お前もちゃんと愉しませてやるよ」
「んっ! ゔぅっ!」
体内にある佐倉の指がある一点を押した途端、まるで電気が流れたような強い衝撃が背筋を貫き、華奢な身体がビクッビクッとベッドの上で跳ね上がる。
「ココ、前立腺。押したら気持ち良くなるって話だけどさぁ、いきなり完勃ちって、鈴ちゃんどんだけ淫乱なの?」
「完勃ちでコレって可愛過ぎね? 扱いたら直ぐイッちゃいそうだな」
「んぐぅ……あ、あっ」
言葉と共にようやく口を解放され……半ば放心したように喘ぐ鈴斗のペニスを掴んだカイが、嘲る言葉を吐きかけながらそれを上下に扱きだした。
「ひっ、あっ……嫌っ! 止めてっ!!」
直接的な刺激に堪らず極めそうになった鈴斗が、制止を求めて声をあげると、カイの手淫がピタリと止まる。
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