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「やりづらいな。カイ、紐解け」 「了解」 「んっ、あぅぅっ」  佐倉の発したその一言で、拘束はやっと解かれたが、長い圧迫で痺れたようになってしまった手足はまるで言うことを聞いてくれなくて……。 「やっ、あ、あんぅっ」  そんな鈴斗の状態などはお構い無しにペニスを引き抜くと、乱暴に伏せの形に返して横から腰を掴んだ佐倉が、今度は一気に背後から、鈴斗の体内(なか)へと侵入してきた。 「ひっ……あうぅっ!」  さっきより深い接合に、背中をしならせ鈴斗は叫ぶ。そのまま数回前立腺を狙うように打ち付けられ、過ぎた快感を逃すようにガリガリシーツを引っ掻いた。 「ほら、起きろよっ」 「やっ、あぁっ……ん」  少しの時間が経過すると、今度は無理矢理身体を起こされ背中を預けて座るような体勢を強要される。  いわゆる、背面座位の体勢だ。 「あ、あぁ……悠くんっ、悠く……ひぅっ!」 「悠くんは助けにこねーよ」  涙で滲んだ視界の中、注がれ続ける快楽に、混乱した鈴斗は何度も悠陽の名前を呼ぶけれど、もちろん彼が来る筈も無く、鼻で笑った佐倉の手で、戒められたままのペニスを数回激しく扱かれた。 「こっちも大分厭らしくなったな」 「あっ、あうっ……ん」  前に回って来たリクに、乳首を舐められ吐息が漏れる。 「鈴ちゃん、イキたい?」 「あうぅっ……キたい、イキた……」  穿たれる度に僅かづつだがカウパーを垂らす先端に、爪を立てられて鈴斗は堪らず腰を揺らして懇願した。 「うわっ、鈴ちゃんエロい」 「どうやってイキたい?」 「あっ、紐、解いて……欲し……」 「それだけで良いのか?」  意地悪な質問に抵抗出来る余裕も無く、鈴斗は何度も頷きながら自ら股間へ手を動かす。 「コラ、触っちゃダメだろ?」 「あ、やぁっ、イキたい、も……ヤダ」  寸での所で手首を捕まれ、体の芯が切なく疼いて、涙が次々溢れ出た。 「安心しな、最高に気持ち良く、イカせてやるよ」 「ふっ……あ、んぅ」  耳朶に甘く噛み付かれ、そんな行為にも感じた鈴斗が小さく喘いだその途端、視界が突然暗くなる。 「……っ!?」 「大丈夫、目隠ししただけだ」 「あ、やっ……なん……」 「取ろうとしたら、縛るからな」  佐倉に続いたリクの言葉に、鈴斗が小さく頷くと、素直な返事が可笑しかったのか彼等はクスリと笑ったけれど、それ程に……鈴斗の身体は限界を超えてしまっていた。  *** 「ゔっ、やっ……あぅぅ!」  どれ位時が過ぎただろう?  もう嬌声を堪える事も出来なくなってしまった鈴斗は、突かれる度に声を上げ、見えない何かを掴むように手を前に出して空気を掻く。  イカせてくれると言ったのに、ペニスは戒められたまま、目隠しもされた状態のままで彼等に次々犯されて……何度も空でイカされる内に徐々に正気は削ぎ落とされ、頭の中では達する事しか考えられなくなっていた。 「イキたいっ……お願い」 「何回もイッたろ? 最初っからドライで達くとか鈴ちゃんマジ淫乱だわ。悠くんがこの事知ったらかなりガッカリするかもな」 「やっ、あぁっ、取って……イかせてっ」  佐倉の揶喩も耳には入らず鈴斗がペニスへ触れようとすると、不意に両手を強く掴まれ唇を深く塞がれる。 「んっ……ふぅ、ん、うぅ!」  同時に前立腺を穿たれ鈴斗の身体は大きく跳ね、中に精液を注ぎ込まれて、何度目かさえもう分からない射精の無い絶頂を迎え……。 「ゔっ……んうっ……」 (悠くん……助け…なきゃ)  意識が途切れる直前に、触れた唇が大好きな人の物のように感じたのは、現実逃避に他ならない。  だけとこの瞬間……例えそれが願望が見せた幻覚でも、擦り切れた鈴斗の心は暖かい物で満たされた。

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