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第3話
中学生からは、バスで通学をした。
家からバス停まで遠いから体力は自然とつくけどさ、冬場の暗くなるまでの時間が早すぎて泣きそうに何度もなった。
お化けが怖いとかそういうんじゃないんだけど、なぜかひとりぼっちになったような錯覚というのか、何とも言えず寂しさが募った。
爺ちゃんやみんなのおかえりを聞くだけで、一気に気分が上がる。
だから涙は流さずに済んでいたんだ。
家が山頂付近で、バス停は山の中腹あたり。
高低差が酷くて、行きは10分帰りは50分というと友人には意味がわからないと言われた。
友人が夏休みに泊まりにきて、意味が理解できたと納得してくれたのが面白かった。
友人と遊ぶ事を選んだあの時の兄貴には悪いことしたなぁって初めて謝りたいって思った。
だから、手紙だけ送った。
スマホは持たせてもらってたけど、連絡先知らないし、家に電話をかけて拒絶の言葉を聞きたくなかったしな。
返事は直ぐに届いたけど、中身を知る勇気が無くて読まなかった。
もう会う気も、関わる気も無かったから。
さようならって、自分で書いたのに。
それを返されるのが怖くて。
本当にガキな俺。
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