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第4話
高校はこの町では1番頭がいいって言われている所に入った。
全国だと底辺だけどね。
大学は考えていない。
爺ちゃんは進路に関して何も言わない。
好きなようにさせてくれている。
だけど、兄貴に俺が弟で良かったって思って欲しくて、勉強は頑張っている。
左耳のハンデがあるから、運動には力を入れれなかった。
怪我をして爺ちゃんに心配をかけたくなかったんだよね。
爺ちゃんの知り合いの結婚式があり久しぶりに元地元に来た。
10年ぶりに来たけど、田舎の数倍の速さで時間が流れている気がして無駄に疲れる。
記憶の中の街の風景はかなり様変わりしていて、居心地が悪い。
あぁ、もうここは俺の街じゃ無いんだなってしみじみ感じた。
「あーだから[来た]なのか…」
ホテルの結婚披露宴会場には、確実に裏社会の人間だなって人達も混じって居て、ザワザワと盛り上がっている。
そんな中にボソッと溢した俺の呟きに反応が返ってくるとは思わないじゃん。
「何が?」
隣に座って居たはずの爺ちゃんは、知り合いのところで酒を飲んで楽しそうにして居て、代わりに歳の近そうな青年が座って居た。
はじめまして、急に話しかけてごめんねと、話しはじめた青年は紀明(のりあき)さん。
2歳上の高校3年で、父親の付き合いで一緒に参加させられたらしい。
似たもの同士ですねと笑うと、一瞬ハッとした顔をしたが、直ぐに人が良さそうな笑顔に戻った。
披露宴が終わるまで色々と話をして連絡先を交換して別れた。
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