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第7話

高校2年になりやっぱり出てくるよな。 進路問題。 あいも変わらず、爺ちゃんは何も言わない。 俺はどうしたら良いのか。 良二さんに聞いてみた。 知識は力になるから、大学に行く事を勧めると言われた。 牧瀬さんは、自分は勉強が嫌いで喧嘩ばかりして居たところを爺ちゃんに拾われたらしい。 爺ちゃんの為に自分ができる事は何でもすると決めてからは掃除と食事に絞って、勉強しまくったらしい。 一瀬さんは経済学部を卒業して居て、爺ちゃんの資産管理や、会社の運営などをしているらしい。 自分の進みたい道では無かったけれど、大学を卒業したからこそ知り得た知識を使って爺ちゃんのそばにいる事ができるから、俺にも大学に行くようにと、念を押すように言ってきた。 俺が出来ることってなんだろう? 左耳のハンデは有るけど何もできないわけじゃ無い。 ひと通りの家事は出来る。 勉強もできる。 運動は個人プレーなら出来る。 団体は左側を認識できないから無理だ。 誰かの為に何かをする、そんな事を考えた事も無い。 左耳のハンデが有るからと、周りから守られる事に慣れてしまっている。 俺が何かをする前に皆の手が出てきて、やらなくて良いよって言われる。 「変わりたいなぁ」 漠然とした想いだけど、目覚めてしまった、自覚してしまった想いは誰にも止められそうに無いくらい、一気に膨らんでいった。

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