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第10話
俺の息が落ち着いてから、俺と目を合わせてもう一度、幹都が好きだと言ってくれた。
俺も紀明さんが好きですと返すと、また濃厚なキスをされて、幸せなんだけど、俺の死因がキスってダメだよなぁってそんな事をふと考えていた。
紀明さんが満足して唇を離してくれた時には、俺はもう息も絶え絶えで、死因がキスとかイヤ!と睨んでやったよ。
ベッドに連れて行かれ2人で座る。
俺の左側に座ろうとする紀明さんに、右側に座ってとお願いをした。
どうして?と不思議そうにしながらも座ってくれた。
「俺の左耳は聞こえないんだ」
中々、言葉に出して言えずにいた俺を、紀明さんは急かす事もなく俺が言うまで待ってくれた。
そこから写真に写っていた兄貴の話や左耳の事、学校の事、爺ちゃんの話もいっぱいした。
順序も何も無くて、意味が繋がらない話も思いつくままに話してしまったけど、全部ちゃんと聴いてくれた。
よく頑張った!じゃあ今からは俺の話をするね。とゆっくり話をしてくれた。
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