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第14話

結局俺は大学受験を一旦見送った。 今すぐ習いたいのは、食事、掃除、洗濯など。 紀明さんを支えて行くためのまずは基盤から行こうと思ったんだ。 高校卒業の日から紀明さんのマンションで一緒に住むことが決まった。 学校が終わると急いで帰り、牧瀬さんに掃除、洗濯、炊事を教わった。 ネットや、図書館を利用して家事スキルを上げていった。 たまに爺ちゃんに、「孫が嫁に行ってしまう、どこに出しても問題のないできた嫁になるだろうが、寂しいのぉ」と笑いながら揶揄われて居た。 引っ越しの日が決まり、荷物の整理をして居て見つけたんだ。 中学の時に届いた兄貴からの手紙。 やっと読む気になれた手紙には、 『俺を叩いた事、弟じゃないと言ってしまった事の謝罪から始まり、今すぐじゃなくても幹都が許してくれた時に会いたいと、世界で一番カッコいい兄貴になるから、そして幹都を家族として、弟として愛している』と綴られて居た。 あの時の俺なら、兄貴を拒絶して居たかもしない。 自分がされた家族からの拒絶を、俺自身がしたかも知れないと思い、ゾッとした。 少しずつ紀明さんの写真に兄貴が写るようになって、少しずつ兄貴と向き合えるようになった。 紀明さんのおかげで、俺たち兄弟は距離を元に戻せるようになった。 引っ越しして落ち着いてから紀明さんのマンションで兄貴と会う事になっている。 少し怖い。 だいぶ不安。 けど、会える喜びの方がでかい。 そう思えるようになったのは勿論、紀明さんのおかげだ。 そして爺ちゃん、良二さんも牧瀬さん、一瀬さんも、友人たちもみんなのおかげだ。 本当に心からありがとうと思い、手紙に思いの全てを乗せて、引っ越しが終わってからポストに投函した。 顔見るの恥ずかしいからさ。 見えないようにしてからじゃないと出せなかったよね。

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