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美味しいご飯_2

ビーフシチューとライスを運び終える頃、部屋着に着替えた愁がダイニングへと戻ってくる。 ちなみに愁の部屋着はとてもダサいTシャツなんだけど、言うと怒るので心の中にしまっておく事にする。 俺は既に席について、いつでも食べる準備は万端だ。 「旨そーっ!」と声を上げながら愁が、次いでビーフシチューを作った実生が席につく。 「おっしゃー!いただきまーぁす!」 元気な愁の挨拶に俺と実生が続く。 湯気立つビーフシチューをスプーンに乗せて口へ運ぶと、頬が落ちそうな程美味しい。 「んーっまい!やっぱ実生のビーフシチューは絶品だな!」 愁の言葉に俺も大きく頷くと、実生は嬉しそうに笑った。 「二人とも良い食いっぷりだから作り甲斐があるよ。おかわりもあるからな」 おかわり………しよう。 「そーだ!俺、明日休みになった!」 「土曜なのに珍しいな?」 実生の言う通り、愁が土曜日に休みなのは珍しい。 俺は一般企業の会社員、実生は高校教師で愁は美容師。 俺と実生は土日休みだけど、愁は殆どの場合土曜日は仕事。 それでも俺達と時間を合わせたいと日曜だけは固定で休みを貰ってるみたい。 明日は土曜日だから、愁が休みなのは珍しいんだ。 「後輩と休み代わったんだ。だから来週の水曜は仕事」 話に耳を傾けていた俺と実生に、愁はにんまりと笑う。 「ね、だからさ。今夜シよーぜ?」 その提案に俺と実生は目を合わせて、同じようににんまりと笑った。 「………ん、する」 「元気だな、二人とも」 俺達三人は所謂幼馴染というやつで、高校卒業を機に同居生活を始めた。 三角屋根の一軒家で、誰にも邪魔されない生活を。 二十七歳になった今でも幸せな生活は続いてる。 二人には感謝してる。二人が居なかったらこんな幸せな生活は送れなかった。 愁も実生も、二人とも大切で大好きなんだ。

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