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ああ、平気じゃないよな。 苦しんで傷ついてそれでもそばにいて俺を受け入れてくれてた。いや、受け入れさせてたんだよな。 なら、岳の希望はなんだって聞いてやりたい。浮気以外なら。結局そこにたどり着く。 「なんて店?」 掴んだ手に手を添えて聞いてくる。 「・・・Lamplight 」 「そう、あそこだよね?」 合わせてた視線から入り口を見て示してくる。 「そうだよ」 まっすぐ見つめて少し首を傾げてなはにかむように微笑む。 「悠人、別々に入ろう」 思いがけない言葉と、掴んだ手をやんわり剥がす指。何を考えてる?あんな場所に独りで放り込めるわけないだろう。 「もう、そんな顔しないでよ。遊びでしょ。深刻に考えないで楽しもうよ」 どんな顔してるのか想像がつく。引きつって不安げで情けない顔だろうよ。 「岳・・・何考えてる?」 「何も?だって悠人と一緒に入ると誰にも誘ってもらえないじゃん。だから他人のふりしててよ。悠人も気に入った人がいれば誘っていいからね」 自分の浮気も俺の浮気も許すっていうのか?いくら遊びでも、愛する奴が他の奴に誘われるのは見たくない。 「途中で帰っちゃダメだから。ちゃんと良さそうな人選んで、イケそうなら以前と同じように誘って見せてよね。悠人がどんな風に誘ってたのか見てみたいし。俺も見ててよ。どんな風にさそわれてるのか」 「岳!」 手を離した岳は振り返らず、15分後にと俺を待たせて岳は扉の中へと消えていった。

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