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手のひらから岳の体温が伝わってくるだけでホッとする。やっぱり俺は岳がいいし、岳しかいない。 こんなに悶々とハラハラしたことはなかった。この数十倍の辛い想いをさせてしまったことに改めて深く後悔した。 だったら、ちゃんと気持ちを伝えないと。いつだって、どんな時だって俺は岳のことしか考えてなかったんだから。 「俺の全部は岳のモンだよ。心も身体も。何人知っててもそんなもんは意味なんてない。俺で沢山の経験をしたらいい。岳を1番愛せるのは俺だけだ。俺のそばにいて。ずっと愛してて欲しい」 「・・・・それ、今までも誰かに言ってたの?」 「言うわけないだろ。岳だけ」 「そんな真顔で・・・ずるいな・・・悠人に言われたら落ちないわけない」 「ずるくなんてないさ、俺が愛してるのはずっとガキの頃から岳だけだ」 「ずるいな・・・ほんとに」 「その・・・岳が気になる奴がいるなら、俺は待つよ。岳が待っててくれたように・・・嫌だけど、岳を待ってる」 ポカンと俺を見つめて、はぁぁっと溜息を吐いた。でも、それはいつもの岳のより数段嬉しそうで色っぽく頬を染める。 「イケメンで、殺文句を吐くくせに鈍感とか、残念だよね、悠人」 呆れて吐いた言葉と潤んだ瞳はアンバランスで、貶されたのに岳に見惚れる俺は、ほんとに残念な奴だと認めるしかなかった。

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